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そんな前田たちに川瀬は一人つかつかと詰め寄った。
「ちょっと前田さん…これはダメだって言ったじゃない…」
「あーあ、見つかったー」
「見つかったーじゃないよ…」
川瀬が指摘しているもの。それは前田のものらしい小さなポーチの中に入った煙草。ご丁寧にライターまで一緒に入っているらしい。…そりゃそうか。煙草だけあっても意味ねぇもんな…。
「いいじゃん一本くらい」
「ダメだって。前にも同じこと言ってたよね…。ほら、それ貸して。先生に渡すから」
その言葉に前田もめんどくさそうな顔をしている。無理もない。相手は生徒会長だからな。見逃すわけがない。
「相っ変わらずお堅いね。そんなんじゃいつまでも彼氏できないよ」
「できなくて結構です!さ、早く。もう授業始まるよ」
あぁ、そういえばそろそろ本鈴が鳴るな。
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