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「二人ともごめんね…」
「いいってことよ。可愛いレディが苦しんでるときに助けるのは男として当然のことで…」
「アホなこと言ってる場合か。行くぞ」
「あ、ちょ、待てって!」
慌てて追いかけてくる北本のために歩くスピードを落とすと、北本は横に並んだ。
「…っていうかさぁ…俺すごいことに気付いちゃったんだけど…」
「なんだよ」
「桐原の奴さ、ワイシャツのボタンも一つでいいから外してねって言ったじゃん」
「あぁ、言ったな」
「それって…教師が生徒に言っていいことなのかよ?」
「…はぁ」
「な、なんだよ!ため息つくと幸せ逃げんだぞ!?」
「あのなぁ、横山は日射病なんだぞ。日射病とか熱中症の応急処置の仕方は一応俺も知ってるし、ボタン外さないと暑いまんまだろうが。熱が逃げねぇんだよ」
「でも今夏だし…ワイシャツの下って…ぶ…」
「おい!考えるのやめろ!」
「そ、そうだよな。さーて飲み物飲み物…ってあぁっ!」
自販機の前にたどり着いた瞬間、北本が突然大声をあげた。
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