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「どう言う事ですか駅長!」
「どう言う事って?」
「電車ですよ!電車!」
「ああ!どうだ?ナイスアイディアだろ!アレを作るのにな。コレだけの金が掛かったんだよ。今日がゼロスーサイド号のデビューだ!いつも以上に気合い入れて運転を頼むぞ!」
「ゼロスーサイド?」
「自殺ゼロだ!飛び込み自殺ゼロ政策だ。」
「あんな走る凶器みたいな電車を走らせたら!逆に自殺が増えますよ!」
「まず、飛び込んだ自殺者は、運転席の前にある電車の穴に入る。で、中の液体窒素で瞬間冷凍。車体内の無数の刃に細かく切断され、粉末になる。そして、最後尾の排出口から排出される。」
「自殺、されてるじゃないですか!何がゼロスーサイドですか!」
「分からないのか?」
「分かりません!」
「迷惑なんだよ。」
「はい?」
「一人の自殺者の為に、電車をわざわざ止めて、どれだけの人の足に被害が及ぶ?運転手だってどれ程の精神的ストレスを受けるんだ?」
「しかし!」
「無かったんだよ。飛び込み自殺なんてのはな。」
「え、駅長まさか!?」
「死体が無ければ何も無かったの同じ事だ。」
「これは問題です!」
「かもな。だが、多くの人間の今日が保たれる。」
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