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二年前、
私はこの江戸に迷いこんだ
江戸を徘徊する以前の記憶がなく
身寄りもない私を
佐倉椿さんが助けてくれた
濃い藍の髪に焦げ茶色の瞳
すごく整った顔立ちで
今は私の兄の様な人
近所からは相当モテている…
「椿さん体調大丈夫ですか?」
私は部屋を出た椿さんに声を掛ける
「ん?あぁ、大丈夫だよ」
椿さんは立ち止まり振りかえる
「心配はいらないから、弥生はいつも通り町にいきなさい」
「でも…」
「私はもう少し寝るよ」
そう言って椿さんは微笑んだ
仕方なく私は
町に出ることにした
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