155人が本棚に入れています
本棚に追加
「誰だてめぇ」
男は声の主を睨み付ける
「そんなのどうだっていい。もう一度だけ言う、そのガキを離せ」
私は声の主を見た
漆黒の長い髪が風に揺れる
そして男をまっすぐ見る
薄紫色の瞳
役者の様に整った顔の彼は
ぬかりなく男を睨み付ける
「お、俺は侍だぞ!?町民がこんなことをしてどうなるか分かっているのかっ」
男は私を突飛ばし
腰から刀を抜いた
「きゃっ!?」
私は勢いよく後ろの壁に
突き飛ばされ全身を強くぶつけて
痛みに顔を歪めた
掛けていた眼鏡が地面に落ちる
最初のコメントを投稿しよう!