第四章

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移送の前日。 担当の刑事が優しい人だと、特に用もないのに《調べ》で呼び出したりするらしい。 拘置所に移されるとタバコはもう吸えなくなるから、最後に余分に吸わせてやろうと気を遣ってくれるらしいのだ。 竹村も少し期待したが、呼び出されることはなく、いつも通りの1日が過ぎていった。 なんだかんだで仲良くなった同房の仲間たちと、最後の談笑。 また明日から新しい環境での生活が始まる。 (拘置所か…どんなトコなんだろう…) すっかり馴染んでしまった留置場を眺めながら、竹村は眠りについた。
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