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私がイケなかったの。
「逃げろ!ソナ!」
必死に叫ぶ彼の声なんかあの時の私には聞こえなかった。
私の周りを覆い始める緑色の煙。異様な臭いが私の嗅覚を刺激した。
恐怖で動けなくなってしまった私を彼は抱き上げその場にあったシーツを私に巻き付けた。
「すまない、少し痛いかもしれないが我慢してくれ!シーツがあるから多少の衝撃は吸収できるはずだから。」
そう言って彼は私を窓から放り投げた。
幸い、ここは二階だった為、怪我をする事はなかった。
私は直ぐ様立ち上がり私を放り投げた窓に目をやった。
「う、うわぁーー!!」
窓の中からは私の大切な彼の悲痛な叫び声が聞こえた。
あぁ、全て私がイケなかったの…。
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