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苛ついて頭をかきむしる彼と彼女の関係性?
見れば分かる。
少なくとも相思相愛ではない。
と、言うことはもちろん恋人同士ではないのだ。
その後も何度となく彼女に電話をかける。
プルル…プルル…
「ハイ。もしもしぃ~?」
その電話に彼女が出たのは20回目のcallの後だった。
何とも呑気な調子で彼女が出た。
それも彼の怒りを増幅させる。
「もしもしじゃねぇぞ!!お前、今何処にいるんだっ!!」
「ん~今帰るとこ」
「…どうせ男といるんだろ?今日は“いくら”もらったんだ?」
「司陽には関係ないでしょう?」
「あれだけ止めろと言っただろう!!もっと自分を大事にしろっ」
「ウルサイ。そんなお決まりの文句なんて聞き飽きた。」
ピッ!!
恋人じゃないとすると…会話の内容からして親子?
それにしては2人の年齢差はさほどないように見える。
恋人でもない。
親子でもない。
とすると?
答えは簡単、繋がりの薄い腐り縁。
つまりは職場の同僚。
彼が38歳。
電話で“愛莉”(Airi)と呼ばれていた彼女が26歳。
年齢差はあれど気にならない程度だ。
そんな2人の仲がぎくしゃくしているのには訳があるのだが、それはゆっくり説明していこう。
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