―2―

5/18
前へ
/88ページ
次へ
「はぁ…はぁ…すみません…はぁはぁ…呼び止めて…すみません…」 何の用かと不審げに見ていた私に、彼は深呼吸をして喋りだした。 「僕はジュンスっていいまっす!近くに住んでます。あの…友達になってください!!」 友達…久しく聞かない台詞に、私は首を傾げた。 「あのぉ…なんで話してくれないですかぁ?」 私は自分の口を人差し指で指し、その手と顔を左右に振った。 「なんですかぁ?」 分からないようだ。 私は携帯を出して、メール作成画面に文字を打った。 『ごめんなさい。私は声が出ません。』 それを彼に見せると、細い目を真ん丸にして驚いていた。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加