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「はぁ…はぁ…すみません…はぁはぁ…呼び止めて…すみません…」
何の用かと不審げに見ていた私に、彼は深呼吸をして喋りだした。
「僕はジュンスっていいまっす!近くに住んでます。あの…友達になってください!!」
友達…久しく聞かない台詞に、私は首を傾げた。
「あのぉ…なんで話してくれないですかぁ?」
私は自分の口を人差し指で指し、その手と顔を左右に振った。
「なんですかぁ?」
分からないようだ。
私は携帯を出して、メール作成画面に文字を打った。
『ごめんなさい。私は声が出ません。』
それを彼に見せると、細い目を真ん丸にして驚いていた。
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