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どれくらい眠っていたのだろう。 目を開けると、自分の部屋のベッドの中にいた。 ……記憶がない。 人の気配がする…何か話してる。 顔だけ動かして、話し声のする方を見てみた。 ジュンスと…知らない長身の男の人が、台所で何かやっていた。 私は慌ててベッドから飛び起きた。 それに気付いた台所の二人が、ほぼ同時にこちらに振り向く。 ジュンスと知らない男。 背が高く、茶髪の髪がサラサラで、目が大きくて人形のように美しい顔立ちだった。 その人の手元を見ると…包丁。 また息苦しくなり始める。 心臓がいつもよりずっと早く打ち始める…… (助けて!)叫びたくても声が出ない。 突然また苦しみだした私を、体全体で受け止めてくれた人がいた。
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