40人が本棚に入れています
本棚に追加
私がお粥を食べてる間も、ジュンスは正座をして、ずっと何かを喋っていた。
時々早口で何を話しているか分からなかったけど、楽しそうにお喋りするジュンスの顔を見ていたら、なんだか発作を克服出来そうな気がしてくるから不思議。
「ねぇ!そうですよねぇ?聞いてますかぁ?」
ボーッとしていて、ジュンスの話を聞いていなかった。
私は、何?と首を傾げて見せた。
「あっ!いっぱい喋ったら、お腹が空いちゃいましたよ!僕も一緒に食べていいですかぁ?」
うっかりジュンスの食事を忘れてしまっていた。
夕べからずっと、私に付き添ってくれた彼に、本当に申し訳なくなって、お椀と箸を用意する為に立ち上がろうとした。
「座ってて?僕がやりますから」
また、ジュンスがニコッと笑った。
これが彼の魔法なのかもしれない。
無邪気な彼の笑顔に、不思議と私まで笑顔になっている。
胸の中が暖かくなって、いつか忘れていた幸福感が、隅々まで広がっていくのを感じた。
最初のコメントを投稿しよう!