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三年前に、ある事がきっかけで声が出せなくなった。
人と接触することも怖い。
医者には精神的なものだから、時間の経過が必要と言われている。
一人アパートに引きこもる日々。
見兼ねた叔父が、リハビリを兼ねて、自分の経営する店で働かないかと声をかけてくれた。
私は叔父の好意に甘えた。
人への恐怖はだいぶ薄らいだが、声は……全く出ない。
自宅を出てバスに乗り、五つ先のバス停で降りる。
そこから店には一分あまりで着いてしまうが、私にはとても長く感じる。
やっとの思いで店に着くと、裏にある出入口から入り、すぐに着替えて髪を束ねる。
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