40人が本棚に入れています
本棚に追加
おでんの火力を調整していると、不意にバイト君が話しかけてきた。
「○○さん?おでん好きですか?」
店内にお客さんがいないので、明らかに暇という態度で聞いてきた。
私は笑顔で顔を左右に振った。
「そうですか!俺も苦手っすよ。この匂い臭いですよね?」
どうやらバイト君も苦手らしい。
「食べるのはいいんだけどなぁ…」
一人言のようにバイト君が言っていたので、私も彼を見ないで二回頷いた。
「○○ちゃん?ちょっとジュースの扉のガラス、拭いといてくれないかなぁ?手の跡が凄いんだよ」
店長がレジカウンターに入り、私がやっとおでんから解放される。
「いいなぁ……」
おでんの香りを間近で嗅ぎ続ける事になるバイト君が、ボソッと言ったので、私はクスッと笑った。
最初のコメントを投稿しよう!