Love Letter

―２―

バス停に近いからか、バスが着くとお客さんが入ってくる。
会社帰りの人が多いから、店内に居ても話しかけられる事はまずない。
それでも夜も更けていくと、お客さんはまばらになり、やる事も無くなってくる。
いつもトイレ掃除や、裏の休憩所の掃除に入る。
一通り終わらせてもまだ暇。
もうすぐ仕事は終わる時間だ。
最後におつまみのコーナーの点検に行った。
自動ドアが開き、バイト君が元気よく「いらっしゃいませ」と言う。
店長はどうやら店にいないらしい。
暫くすると、不意に後ろから声が聞こえた。

「焼きのりありますかぁ？」

私は笑顔で振り向いた。

「こんばんはぁ！焼きのりくっださい」

あ……例の人だ。