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「……神楽……まぁた、うちの米を勝手に食べたな?」
「げっ……!!ババア、もう戻ってきたのか!?」
すると新八さんはキョロキョロと周りを見回した。
「お登勢さん、志乃武さんは?」
「ん?何をしているんだい?早く出てきな。」
私はほんのりと顔を赤くしながら、ゆっくりとみんなの前に出た。
みんなは私を見て、口が閉まらなくなった。
「へ……変です……よね……。」
「志乃武……可愛いヨッ!」
「……ですよね………って、へっ?」
私は予想外すぎる言葉が出てきて、拍子が抜けたようにキョトンとした。
「お……お通ちゃんまでは行かないけど………確かに可愛いね。」
「……………負ケヲ……認メルヨ……!!」
「アンタは元々、負けてるよ。」
私は逆方向を向いている銀時さんの事が気になり、近づいた。
「……。」
近づいても銀時さんは何も言ってくれなかった。
それどころか、こっちさえ見てくれなかった。
周りのみんなは銀時さんに視線を向けた。
「銀時、せめて、こっちを向きな。」
「……無理だ……コノヤロー……!!」
「向けよぅ!こんな事じゃ、女に好かれないネ!」
「……大きなお世話だ。」
私はこっそりと銀時さんの前に行き、顔を覗き込んだ。
瞬間、私は目を丸くし、顔を赤くさせた。
それは……だって……銀時さんの顔が……
――真っ赤だったから――。
「……っ!?……見ん、なっ……!!コノヤロー……!!///」
銀時さんは下を向き、天然パーマの頭をグシャグシャと掻き回した。
……トクン……トクン……//
私は微笑み、気持ちを込めたお礼を言った。
すると銀時さんは真っ赤の顔のまま、微笑んでくれた。
―――その日の夜。
スナックにはお客さんが呑みに入ってきた。
「……ん?新しい子が入ったのか?お登勢さん。」
「バイトでね。」
「可愛いねぇ。名前は?」
「し……志乃武、です……!」
私は極度に緊張をしていた。
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