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包んだ光を通して、鬼の魂が体から剥がしやすくなっていることを確認した。
「ELEASE」
そして俺が自然と魂が剥離する前に肉体から魂を刈り取る。
魂が鬼から離れ、魂を失った妖魔の肉体は一気に蒸発して消えた。
後は、魂を――
「PRAY」
バクンッと青い光が黒い塊のような魂を潰した。
――食らう。
同時に身体中に染み渡るような不快感がした。
その後、腹部辺りからの何とも言えない充足感を覚える。
生命力を得たから【SNAP BACK】でも直せなかった箇所の修復ができたのだろう。
よかった。
これで内臓の妖魔化は免れた。
「……はぁ、助かった」
そうポツリと感想を溢す。
「予想以上のことばかりだな」
エクシアはゴールデンレトリバーサイズから元のチワワサイズに戻り、俺の顔の横に立つ。
俺は右手を見てエクシアに愚痴る。
「そもそもさ、【SOUL PLAY】に『瀕死の相手にしか使えない』なんて条件が無ければすぐに片付くんだよ」
ぶっちゃけちまえば触るだけで勝てるのに、ゼクラはそれを実行してはくれなかった。
「……奴にも色々ある。
貴様は黙って言われたことをすればいい」
エクシアはそう言って、ヨシキのナイフを咥えた。
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