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赤いブローチか。
となれば自然と光り物であることが推測できる。
「また“アイツ”だな……」
俺は公園の中央にある大きめの樹に向かい、制服のブレザーをハンガーの代用として幹にかける。
軽く手首足首を回して怪我をしないように準備体操
手頃な太い枝を選んで掴み、一気に登る。
「ほっ」
小さい頃は楽な木登りも、高校生の体重ではなかなかキツイところがある。
それでも運動神経平均よりちょい上という自負を胸に、俺は目的の【巣】のある高さまで登りきった。
そこにあるのはカラスの巣
カラスは光り物を集める習性があり、この公園で光り物がなくなれば大抵はこの巣のカラスの仕業となる。
巣を覗きこめば、案の定赤いブローチが巣の中にあった。
「回収回収っと」
カラスが戻ってくる前にブローチを回収し、素早く樹から飛び降りた。
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