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一人は黒髪で、もう一人はきらびやかな金髪
――はて、金髪の方にはなぜか見覚えがあるような?
「――ぶっふっ!!」
吹いた。
おもいっきり吹き出した。
美少女に目を奪われていた男子以外の女子や智宏が俺を見る。
そして転校生の二人の視線も俺に移る。
「あら、隆志じゃない。
やっぱり同じクラスになったのね。
(イタリア語)」
イタリア語であるが、俺の名前くらいはクラスメイトたちも聞き取っただろう。
ゾンビでいる間は目立ちたくなかったのだがそれは最早無理のようだ。
ハイデルに向けて軽く手をふる。
「よう、ハイデル
なんでここにいるのでしょうか?
(イタリア語)」
もはや諦めてイタリア語で返してやった。
「……あ!」
次にハイデルの隣にいたもう一人の転校生が俺を見て驚きの声をあげる。
次はなんだよ?
若干うんざりしながらそちらを見る。
「あ」
俺まで驚きの声をあげる。
そこにいたのは俺が死んだ日に公園で会った少女がいたのだ。
「なんだ二人とも高橋の知り合いか。
なら転校生二人の席は高橋の隣と後ろな」
「「「…………(ギロッ)」」」
先程まで熱を込めていた男子たちの熱視線が絶対零度の視線ならぬ“死線”へと変わって俺に移る。
――よりにもよって、ゾンビになってからこんなフラグが立たなくても良くない?
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