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二人の転校生
ハイデルと金守雛(カナモリヒナ)
ハイデルは俺に任務を任せて暇になったから転校してきたらしい。
金守は俺の後ろの席になった。
しかし会話するキッカケが掴めなかった上に、周りは俺とハイデルの関係の方が気になるらしくて質問攻め。
ろくに口も聞けぬままその日は終わった。
それでも狩りはやらなければならない。
顔も知らない親父が着ていたという形見のジャンパー
昔、母さんに買ってもらった金属バットとキックボード
そしてバイクを買う前に背伸びをして購入したヘルメット
それらを装備して俺は夜の12時過ぎに家を飛び出す。
しばらく町中をキックボードで転がしていると、塀の上からタタッと足音が聞こえた。
そちらを見上げてみるとエクシアがいて、俺の肩に着地してきた。
「今日はどこら辺だ?」
「目立った奴はいない。
だから今日は放っておいたら面倒になる場所に行くぞ」
「なにそれ?」
「いいから行け。
貴様に説明している時間がおしい」
「はいはい、わかりましたよ」
こんな風にチワワから命令されるのになれてしまった俺は一体どうなのだろう?
初日はイラッときたものだが、今じゃこれがエクシアの個性なのだと微笑ましく感じる。
……俺、おじいちゃん?
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