崩れない日常

3/7
前へ
/39ページ
次へ
ブーーッ!! ブザーが鳴り響いた。 「訓練終了。訓練終了。」 ペンキまみれの隊員と犯人達が次々に起き上がっていく。 「赤坂(あかさか)警部、人質が二人だとブリーフィングの時に伝えただろう。」 一人の男が部屋に入りながら言った。 「…そうでした。申し訳ありません、佐原(さはら)警視。」 男が敬礼をしながら言った。 「これが実戦なら君のとこの隊員は二人死んでたぞ。ブリーフィングがいかに大事か分かったか?」 「はい…」 そう、男達は人質救出訓練を行っていたのだ。 男達…いや隊員達は警視庁にある「SAT(Special Assault Team)」である。 SATはテロや人質救出を目的(一部簡略)とする部隊である。 「班長…足を撃たれてますよ。」 「ん?ああ…気付かなかったよ。佐原警視に怒られたよ…オレもまだまだだなぁ…」 「そんなことありませんよ、班長。これは訓練なんですから…実戦ならって言いますけど、この日本で実戦なんて…」 隊員がそれを言い終わる前に赤坂は部屋を出ていった…。 ~ロッカールーム~ 田沢「今日の訓練も嫌なもんだったなぁ…」 金丸「そうだなぁ…人質救出と思ったら、人質に撃たれるんだぜ?」 如月「お前らなんてまだいいぜ。俺なんか撃たれたんだぜ?ペイント弾だって結構痛いんだよ…」 田沢「ハハハッ、お前訓練終わった後、ピンク色だったもんな。」 ガチャッ ドアを開けて赤坂が入ってきた。 「…」 田沢「班長落ち込んでるよ…」 金丸「今日が初めての班長指揮なんだぜ…なのに人質が犯人だ、なんて設定中々無いぜ。」 如月「あぁ…可哀想だよな、班長。」 そんな会話が繰り広げられていた。 バガァッ!! 凄まじい音と共に隊員が入ってきた。 「は…班長!!成田空港でハイジャックです!!」 「な、なんだって?!」
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

172人が本棚に入れています
本棚に追加