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ブーーッ!!
ブザーが鳴り響いた。
「訓練終了。訓練終了。」
ペンキまみれの隊員と犯人達が次々に起き上がっていく。
「赤坂(あかさか)警部、人質が二人だとブリーフィングの時に伝えただろう。」
一人の男が部屋に入りながら言った。
「…そうでした。申し訳ありません、佐原(さはら)警視。」
男が敬礼をしながら言った。
「これが実戦なら君のとこの隊員は二人死んでたぞ。ブリーフィングがいかに大事か分かったか?」
「はい…」
そう、男達は人質救出訓練を行っていたのだ。
男達…いや隊員達は警視庁にある「SAT(Special Assault Team)」である。
SATはテロや人質救出を目的(一部簡略)とする部隊である。
「班長…足を撃たれてますよ。」
「ん?ああ…気付かなかったよ。佐原警視に怒られたよ…オレもまだまだだなぁ…」
「そんなことありませんよ、班長。これは訓練なんですから…実戦ならって言いますけど、この日本で実戦なんて…」
隊員がそれを言い終わる前に赤坂は部屋を出ていった…。
~ロッカールーム~
田沢「今日の訓練も嫌なもんだったなぁ…」
金丸「そうだなぁ…人質救出と思ったら、人質に撃たれるんだぜ?」
如月「お前らなんてまだいいぜ。俺なんか撃たれたんだぜ?ペイント弾だって結構痛いんだよ…」
田沢「ハハハッ、お前訓練終わった後、ピンク色だったもんな。」
ガチャッ
ドアを開けて赤坂が入ってきた。
「…」
田沢「班長落ち込んでるよ…」
金丸「今日が初めての班長指揮なんだぜ…なのに人質が犯人だ、なんて設定中々無いぜ。」
如月「あぁ…可哀想だよな、班長。」
そんな会話が繰り広げられていた。
バガァッ!!
凄まじい音と共に隊員が入ってきた。
「は…班長!!成田空港でハイジャックです!!」
「な、なんだって?!」
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