一人の少年に

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だから俺は少年に一言「鉛がある」と答えると、少年はどこが面白いのか解らないが、優しく微笑んだ。 見ず知らずの少年に悩みを明かすとは……俺はどこかのネジがとれたんだと一人で頷く。 少年に悩んでいたことを全て聞いてみた。 少年には難しく過ぎる問題を聞いてしまった。 しかし、何か少年なら知っていそうな気がした。 「君はたくさんのことを感じているんだね。人間は毎日同じ生活を繰り返しいるかもしれないが、その繰り返しの中でたくさんの感じたことがあるんだよ。心が感じたことをたくさん記録してくれているんだ。」 つらつらと話す少年を見て俺は泣いた。 心があるから生きているだ。 同じ繰り返しの中に日常が有るんだ。 泣くとはさまざまな感情から来るものだから泣いくんだ。 好きとは出会った人の数ほどの好きがあるんだ。 たくさんの感情があるから人間が有るんだ。 俺は何気なく上を向いて少年に「ありがとう」と照れくさく言った。
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