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(この人の言葉には感情がこもっていないんだ。しかし私と戦っていた時は確かに感情はこもっていたのに、なぜ普通の時は感情がなくなるのでしょうか…)
男の一言一言に感情はなく、まるで台本を棒読みしているようだ。
しかし、そんな疑問を聞けるわけもなく、森の出口付近まで口を開くことはなかった。
「あっさり森を抜けれましたね。」
森の出口付近で呟くように言った。
男はチラッと女を見たが何も言わずに再び前を見て歩きだした。
森を出ると町外れの田舎に出た。
回りを見渡すとあまり家は建ってなく、田んぼが多く誰もが想像しそうな田舎だった。
男は足早に進んで行った。
女は男の家がどこにあるのかわからないため、ただただついて行くしかなかった。
森を出てから30分くらい歩くと、少しは町並みに出てきた。
ちらほら人を見かけるようになり、建物も多くなってきた。
いろいろな建物の中に一際大きな敷地に古風な家が建っていた。
そしてその家の門を開け、男は入って行った。
「ここが家ですか…」
この世界に召喚されてまだ間もないが、男が入って行ったこの家は周りの家よりも、とても立派な造りであることは一目でわかった。
歴史を感じさせる雰囲気から昔に造られた家であることもわかった。
女はふと我に帰り、少し遅れて家に入って行った。
門から家の玄関までは石畳で繋がれており、周りの庭には白石が敷かれており、池もあった。
女が観察している間に男は家の中に入ったようだ。
女は玄関に駆け足で行き、家の中に入って行った。
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