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家の中も和風な感じの造りで玄関から前と左右に長い廊下があった。
男は先に家に入ったため、どっちに向かったのかわからなかった。
「おや?誰ッスか?」
ふといきなり声をかけられ反射で構えた。
「どうしたんッスか?いきなり構えたりして。」
男からはマヌケそうな声から敵意はないのはわかった。
「あっ。申し訳ない急に声をかけられたのでつい構えてしまいました。」
女は男に向かって頭を下げた。
「いえ、いいんッスよ!頭を上げてくださいッス。」
「はい。あの、先に男が入って来ませんでしたか?」
「男?シキさんのことッスか?」
「シキ?」
女は知らない名前を聞いてその名前を発しながら首を傾げた。
「キミはシキさんに召喚されたんッスよね?」
「ええ。確かに私は先ほど召喚されました。」
「だったらシキさんで間違いないッスよ。」
男は自信ありげに言った。
「シキさんはこの廊下を真っ直ぐ行った自分の部屋にいると思うッス。」
「わかりました。」
男は玄関から見て前の廊下を通した。
女は言われた通りにその廊下を進んで行った。
女は部屋の前に立ち扉をノックした。
コンコン。
ノックをしたあと数秒待ったが返事がなかったため、もう一回ノックをしながら呼び掛けた。
「いないんですか?扉あけますよ?」
やっぱり返事がなかった。
女はドアノブに手をかけドアノブを回した。
ドアは開いていた。
「失礼します。」
女はドアを開け部屋に入って行った。
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