プロローグ

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『不老不死』 それは人間誰でも憧れるもの。 永遠に歳を取らずに死ぬことはない。それは素敵なことかもしれない。それは素晴らしいことかもしれない。 だが、生き続ける為の代償は伴う。死ぬことはない体はだんだんと朽ちていく。最後には死なずに動かなくなるのだ。死なずに動かなくなると言う意味は、意識はしっかりとある。物事を考えることはできる。だが、動くことはなく、息をすることもなく、目を動かせることもなく、ただそこにいるだけの存在となるのだ。 この世に永遠なんて有り得ない。どんなに努力しても、どんなことをしても叶うことがないのだ。 それでも『不老不死』と言う呪いがあるのも事実。まだ、魔法など非科学的なことがまだ多くあった時代。その頃に『不老不死』と言う呪いが作られた。しかし、呪いが成功したのかは誰も知らない。なぜなら呪いのかけられた人よりも先に呪いをかけた側は死んでしまうからだ。 ただし、わかっていることはある。それは歳を取らないということだ。つまり『不老』は成功したということである。だが『不死』だけはどうしてもわからなかった。 しかし『不死』も成功していたのだ。なぜなら『不老不死』の人間が実在するからだ。 これはその『不老不死』になってしまった男の物語である。
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