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ガッ!ガッ!
男は薄暗い部屋で地面にチョークらしき物で何かを描いていた。
部屋の広さは六畳程の広くもなく、狭くもない部屋だ。
パンパン。
男は描き終えたのだろう。白いチョークを投げ捨てると手に付いた汚れを叩き落とした。
「成功すればいいが…」
男は1人呟いた。男は身長180cm程でスラッとした体格。顔は整っているが髪はボサボサ。髪色は白く、肌も日に焼けていない白さだ。
男は今まで描いていた物の中心に移動した。男が今まで描いていた物は『陣』だ。円が部屋全体に大きく描かれていて、円の内側に何語か分からない文字が、そもそもそれが文字なのかも分からないが、それが円になるように書かれていた。再びその文字の内側に円を描き、その円を均等に四つに分けるように線を引き、その線が円の中心から1m離れたところで止まり、その線を繋ぐように円を描いた『陣』だ。
男は左の人差し指をナイフで軽く切り血を三滴円の中心に落とした。
その直後円に書かれていた文字が光だした。
次第に文字が地面から円の中心に近づいてきた。男の体をすり抜け円の中心に来ると文字が合わさり1つの白い球体が出来た。
男はそれを確認すると『陣』から離れた。
球体は円の中心に落ちると地面に溶けていくように消えていった。すると『陣』の中心に一番近い円が真っ白に染まっていた。
その円から光の柱が昇った。高さは160cm程だ。
「………」
男はその光のじっと見つめていた。
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