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例えるなら聖剣。他の剣とは比べものにならないほどの魅力を感じるその剣は傷一つなく、錆なんて付いてるわけもなく、鍔迫り合いなんかした時は、剣ごと斬られてしまうのではないかと思わずにはいられなかった。
「いいですか?」
剣を構えたその立ち姿は凜としていて、とても美しかった。
「あぁ。殺してくれ。」
女は剣を上に持ち上げると男の首目掛けて振り下ろした。
男は目を閉じ、剣が首に食い込んで首をはねるのを待った。
だが、男の首がはねることはなく、男は目を開けた。
剣は男の首に突きつけられていたが、血は出ていなかった。
「殺さないのか?」
「私には無抵抗な人は殺せない。」
女は剣を引いた。
「…だったら抵抗すれば、殺してくれるのか!?」
男は女の顔目掛けて拳を振り切った。
しかし女にヒョイと避けられてしまった。
「おら!おら!おらぁ!!」
男は右、左と交互に腕を振り、女を殴ろうとしたが、すべて避けられてしまった。
「あなたが私に触れることさえ出来ませんよ。」
女は少し距離をとり、そう言った。
「それは俺が召喚したからとか言うんだろ?」
「えぇ。私達、召喚された者は私達を召喚した人よりも強い者が召喚されるシステムです。例えこの世界で最強の人が召喚しても…」
「いや、違うな。」
女が言い終わる前に男が口を挟んだ。
「何が違うんですか?」
「お前の言うそのシステムだと、俺達はお前達に勝てないってことだろ?」
「その通りです。」
「それは違うな。まず、お前は俺に勝てない。」
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