プロローグ

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「これでチェックメイトだ。」 男は女の後頭部に銃口を突きつけながら言った。 女は何も出来ずに両手を上に上げた。つまり降参を意味している。 「別に殺すつもりはない。まずは武器をしまってくれ。」 女は言葉通りに武器をしまうと、男は銃口を後頭部から降ろした。 「私の負けです。それは認めます。しかし不可解な点があります。説明してもらえますか?」 女は男の方へ振り向いて言った。 「例えばどこが不可解なんだ?」 「まず私の初撃目です。あれは絶対に避けることが出来るはずない。なのに貴方は避けてみせた。」 この質問に男は腕を組み少し考えた。 「確かにあれは危なかった。たまたま避けれたんだよ。」 まるで男は何かを隠すように言った。 「あれはたまたまでは絶対に避けられません。貴方が何かした意外に考えられないんです。」 女は男に少し迫りながら言った。 「そんなこと言われてもたまたまだったんだよ。俺も避けられたことに驚いたんだから。」 今度は自然な仕草で本音に思えた。
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