風俗デビュー

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篠田「じゃあ、今から講習するから。A店の店長来るからちょっと待っててね。」 講習。店員を客に見立てて、実技で流れを説明するのだ。 少しだけ心臓がドクッと波を打った。 A店の店長、八木が部屋に入ってきた。 話し方は気さくだった。歳は30くらいかな…。 「脱ぐんですか?」 と私が聞いたら 「脱がなできへんやん」と笑われた。 「恥ずかしいんですけど…」 「俺も恥ずかしいわ」 なんとなくその場が和んだ。 私はTシャツとショーパンを脱いだ。今思うと色気もくそもない服装だった。 二人でシャワーを浴びた。 「奇妙」以外の言葉が思い浮かばなかった。 さっき顔を合わせたばかりの男の裸を見て、そして自分も見られている。 あまりに奇妙な状況に自分がなにをしているのか実感がわかなかった。
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