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プルルルル…
電話が鳴った。
「舞ちゃん、お仕事入ったよ~☆」
店員のベッタリと甘い声が耳障りだった。
この店員の名前は知らないのでメガネと呼んでいた。
私はお仕事用カバンを持って立ち上がった。
カバンにはタイマー、イソジン、ローション、名刺、ペン、仕事用携帯。すべて店から支給されたものだ。
「私は舞…私は舞…」
頭の中でそう唱えながら、待機室を出た。
怖くなんかない。きっと。
大丈夫…
大丈夫…
舞ならできるよ…
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