隠された真実

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本やら書きかけのルーズリーフやらが散乱している机の上を見下ろす。 やっぱり。 似たくなかったところが遺伝していた。 お馴染みの白いクマさんストラップが紙の山からはみ出ていた。 なんでこんなめんどくさいことしなくちゃいけないんだ。 おもいっきりストラップをつかんで手前に引いた。 あれ?なんだろう……? お腹が黒い。 いや、〝何か〟が私の身体の中にいる! 感覚はないけれど、確かに鋭く尖った黒い爪が 一本、また一本と腹を突き破り外界へと姿を現す。 怖い……! まるで金縛りにあったみたい。 指先さえも、ピクリとも動かない。 ついに……奴と目が合ってしまった。 人間の想像が創りだしたとさっきまで思っていた あの化け物に! 全身は漆黒に覆われ 今にも羽ばたいてしまいそうな翼。 唯一色味のある 獲物を見付けて光る2つの鋭い黄色い目。 私は、生まれて14年目で初めて 通称悪魔と呼ばれているモノと遭遇してしまった。
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