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私は誰も、信じない。
授業終了のチャイムが学校中に響き、生徒達は周囲の友人達と会話をしながら鞄の中に教科書を詰める。
クルミはどのクラスメイトよりも先にその作業をすませると、誰にも話しかけず、視線も合わさずに教室のドアをくぐった。
急ぎ足で、靴箱へと向かい上履きから指定のローファーに履き替えると、小走りに校門を出た。
校門を抜けると、クルミは走る速度を落とし、あがった呼吸を整えながらゆっくりと歩き始める。
学校に居ると、息が詰まる。
ここ数ヶ月のクルミはこんな状態だった。
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