見たくない。

4/15
前へ
/21ページ
次へ
リカはお世辞ではなく、美人だった。 髪はコテで巻かれ、キレイなカールが肩にかかっていた。 メイクなんてしなくてもハッキリしていた切れ長な印象的な目、鼻も高く、口も口角の上がった魅力的な口だった。 そんな顔立ちでも、いつもメイクを欠かさなかった。肌の手入れも怠っていないのか、透き通るような白い肌をしていた。 爪はいつも真っ赤なネイルが光っていた。 たまに注意する教師がいたが、聞き流すだけできこうとしないリカにあきれてか、文句を言わせない容姿と頭脳をもっていたからか、何時しか誰も注意をすることがなくなっていた。 クルミはそんなリカと友人でいられる事が自慢になっていた。 リカといると、皆リカを振り返る。 自分を見ているのではないと分かっていても、いい気分だった。 リカと友人になれたときの事は覚えていなかった。ある時、何かがきっかけで話しかけてきた事から始まった関係だった。 すると、いつの間にか一緒に行動するようになっていた。 『友人なんて、そんなものでしょ?』 クルミにとってのリカの存在はそんな感じだった。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加