見たくない。

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そんなある日の事。 「告白、してみれば?」 いつもくだらない妄想ばかりして、行動しないクルミにリカは言った。 「その妄想が現実になるかもよ」 リカのその言葉をクルミは信じた。 もしかしたら、成功するかもしれないと。 リカは自分の手の爪に塗られた、赤いネイルをチェックしながら微笑んだ。 その時の表情と仕草が、クルミは忘れられなかった。 リカに教えてもらった、海田のメールアドレスに何時間もかけて告白の文章を考えて送信する。 勇気の無いクルミにはピッタリの告白方法だった。 クルミは一生分の集中力を返事が来るまでの携帯を凝視する事に使った。 メール受信の音に素早く反応したクルミは、震える手で携帯を握る。 震えを抑えようと力を入れれば入るほど、止まらなくなった。
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