最終章 エピローグ

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「よくもまあ面ぁ出せたもんだな。なあ兄弟。」 二人はサリヴァンの行きつけのレストランに来ていた。ダニエルは抵抗もなく大人しくしているので、とくに拘束もしていない。これも男の面子、なのだろうか。 「どこで野垂れ死んでも構いやしなかったが、お前の前で死ぬのだけはゴメンだぜ、マイケル。」 「俺もテメーがどこで死のうが知ったこっちゃねえが、ケジメは付けるぜ。」 ダニエルは数人の強面の老人に連れて行かれた。 「やつには然るべき報いが与えられるだろう。ご苦労だったな。報酬に関してはあとで請求してくれ。だが…、肝心の『ブツ』はどこにあるんだ?」 「じゃあサリヴァンさん、これが依頼の『裏帳簿』です。まぁ、半分焼けちゃいましたけど。」 モアは半分燃えてしまった帳簿を渡した。 「……。これは何だ?明日提出する数学の宿題か?俺もよくやったぜ。『センセー宿題燃えちゃいました』ってな。………。」 タバコを深く吸う。 「これじゃあ金は払えねえな。」 「あらら?『完全に無傷で裏帳簿を回収しろ』なんて一言も言ってなかったじゃあないですか?」 「報酬はこの中から出るんだよボケ!これで俺たちゃスカンピンなんだ!老後にとっといた庭いじりも旅行もこれでおジャンだ!チット考えたらわかんだろ!」 よくもまぁこんな奴に喧嘩売れるな…、とフィルスは横でびくびくしていた。 「………はぁ。『これ』は後から少しずつ情報屋に売り付けようと思ってたんですが…。…よいしょ。」 モアがレインコートの裾をめくり上げると、多少焦げてはいるもののほぼ無傷の帳簿のページがバラバラと床に散らばった。 「まったく…。クソガキが…。」
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