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はぁ……
痛い………
確かに最近忙し過ぎて放置しまくりだったけど、なにも殴らなくても……
殴りながらさようならとか言われても痛いだけで悲しみもくそもない
「と言うか……愛していなかったのかも」
そしておきまりのように降り出す雨
嫌な予感がする……
大体、失恋して雨が降り出した後には必ず捨て猫が段ボールの中で震えていて「よしよし、お前も一人ぼっちか」的な展開になる
「さっさと帰ろう」
失恋しても寂しくないし
ダメージは殴られた頬ぐらいだ
叩くとか可愛らしいものではなくマジ殴りとか有り得ない
あいつは次のオリンピックを目指すべきだな
「わん!」
「……………捨て犬」
「わんわん!」
「………うるさいし猫じゃない」
飼える自信もないしとにかく今は猫の手を借りたい程忙しい
「せめて人間だったら飼ってやるのに」
「なら飼えよな!」
「…………じゃ」
「ちょっと!」
「不気味すぎる」
「あんたが言ったんだろ!」
「………………」
冗談で言った言葉に初めて後悔した
「あっ、あんたわんこマスターだな?」
「は?」
「俺にはわかる!だって俺の言葉がわかるみたいだし」
「………なーんにもわからないな」
「まてぃ!」
厄介かつ変な生き物に捕まった
しかもわんこマスターとか……俺は猫派なのに
これかこいつとの出会いだった
ドラマかよ………
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