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―13:03 メイドクラブ
金沢さんのことは気になるけど…そっちは警察に任せてみよう。
おれたちはメイドクラブで働いているメイドから話を聞くことに…
その中には桃子ちゃんもいる。
「何か話は聞けたか?」
「それが…警官隊が突入してきたことでとても混乱したらしく…
話を聞けるような状態では――」
「そうか…」
「わたしたちが聞いてみます」
女子チームなら大丈夫かも…特に藍那さんの母性は半端ない。
「済まない。頼めるか」
「はい」
女子チームが部屋に入って行き、何だか華やかな空気が流れた。
「山崎警視」
「どうした」
「売上台帳やパソコンのデータ…そして、店員の証言などと照らし合わせてみたのですが…どうやら売上金が盗まれたようです」
「なに?」
「これを見てください」
鑑識が差し出したのは売上台帳…そこには2000万円と書かれていて金庫に保管と紙が貼られている。
「岩渕はここまでの売上金を計上して金庫に保管していたらしく…金庫の中には少なくとも2000万円くらいはあったと思われます」
「それが無くなったんですか?」
「はい。そこで防犯カメラを見てみたのですが…そこに映っていた店員と連絡が取れなくて…」
「その映像を見せてもらおう」
防犯カメラに映っていた人物が…金庫からお金を盗んだのか…
防犯カメラに映っていた人物とは何物か…今から見てみよう。
「今回の事件は…我々が突入する直前に行われたと思われます。
なのでその辺りの時間帯の映像を見てみると…ほら!この人です」
「この人が…」
そこには若い男性が映っていた。
「しかし、画像が荒いな」
「解像度を上げてみましょう」
「静尋、頼む」
静尋の手によって映像の解像度が上がり僅かに鮮明になった。
「黒いバッグを担いでますね」
「これにお金を入れたのか…」
「じゃあ、やっぱりこの人が…」
「照合しました!失踪したのは…マネージャーの小林英樹!
本日も定時に出勤していますが、事件直後から行方不明です。
バッグは彼が普段から使っているバッグで中の荷物はロッカー内に残されたままのようです。
さらに…彼は車を持っていないと言うことなので行動範囲は自ずと限られてくると思われますが…」
「近くを巡回していたタクシーに連絡を取り…事件当時にバッグを抱えた客を乗せたか聞け!」
「はい!」
小林さんの行方は、いったい…
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