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―8月25日(木)
―12:23 メイド天国
朝っぱらから学園に呼び出されたおれたちは帰りに藍那さんが経営するメイド喫茶に立ち寄った。
「あ~~~~~…涼しいねぇ」
「外は灼熱だからね」
「みんな、汗だくじゃない。
すぐに何かお作り致しますわ♪」
「お願いします。ていうか…急に押し掛けたりしてすいません」
「いいのよ。気にしないで。
真悟くんも元気そうでよかった」
心なしか藍那さんの頬が薄紅色に染まった気がしたけど…
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます!」
「あなたたち…新入部員?!」
「あっ、そういえば藍那さんにはまだ紹介してなかったですね。
じゃあ、一人ずつ紹介します!」
おれは静尋の方に手を置いた。
「武浪静尋くん。元パソコン部で情報解析のスペシャリスト。
暗号の解読や暗証番号の割り出し…パスワードの解除なんかを主に担当してもらってます。
かなり頼りになる新戦力ですよ」
「はじめまして!藍那さんの話は真悟さんから伺ってました。
お会い出来て本当に嬉しいです」
「ありがとう」
次は明理ちゃんを押し出した。
「宮原明理ちゃん。元新聞部員で情報収集のスペシャリスト。
新聞部特有の人脈を生かした広い範囲での情報収集が得意です。
過去の事件を調べる際に役に立つスキルを持っている新戦力です」
「あっ、憧れの藍那さんにお会い出来るなんて…幸せです!」
「ありがとね。大変かもしれないけど…きっと大丈夫だから。
安心して部長に着いて行ってね」
「はい!」
最後に大地の肩を叩いた。
「そして、3人目の新入部員が…元帰宅部の加瀬大地くん。
敏樹に負けないような運動神経の持ち主で探偵の基本である…
足を使った捜査を得意としていてアリバイ検証にも役立ちます!」
「オレの良いとこ体だけ!?」
「あら、そういう人も必要よ。
真悟くんに期待されているのね」
「そ、そうですかね…」
「これが現在の探偵部です!」
「ふふっ…安心したわ。あなたが選んだのなら間違いないわね。
みんな、いい目をしてるわ。
よーし!今日はわたしのオゴリで何でも作ってあげちゃうから!」
「お嬢…何でもはさすがに…」
「いいの!どうせ他のご主人様はいないんだし…貸し切りよ」
「そういえば…」
今日はやけに静かだと思ったら…客がまったくいなかったのか。
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