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おれたちは外へ出て捜査の邪魔にならないようにこっそり狭山さんたちと接触して車に乗り込んだ。
「いやはや~、まさかキミたちがこんなところにいるなんてね」
「どこにでも現れるな」
「こっちだって、学校帰りに狭山さんたちに会うなんて…思ってもみませんでしたよ」
「なんで学校に行ってたの?」
「それが――…」
おれは今朝のことを話した。
―――――――――――――――
おれたち探偵部は…朝っぱらから神矢に呼び出されて行った。
「皆さんをお呼びしたのは他でもありません…夏休みも残り一週間ほどとなった今こそが…もっとも気が緩みがちになります。
そのために…誘惑に負けてしまう生徒もいるかもしれません。
そこで皆さんには風紀委員と協力して見回りをして欲しいのです」
「見回り?!」
「そんなん生徒会の仕事だろ!」
「わたし仕事あるんですけど~」
「わたしも部活が…」
「神矢、さすがに全員というわけにはいかないんじゃないか?」
「……そうですね。しかし、手が足りないのもまた事実です。
出来るだけ協力してほしいというのが本音ですが…仕方ない。
来年度の予算は減らすしか――」
「き、きたねぇぞ!そんなの職権濫用じゃねーか!ねぇ、部長!」
「神矢、お前…!」
「では、協力して頂けますか?」
「くっ…」
首を縦に振るしかなかった。
―――――――――――――――
考えただけで頭が痛くなる。
「そりゃ、災難だったね~」
「狭山さん、そろそろ…」
「動くね」
狭山さんの表情が変わった。
現場には緊張感が伝わってくる。
「よし、各員…突入!」
狭山さんの合図で警官たちが流れ込んで行き現場は混乱状態に…
おれたちも店の中へと向かった。
―――――――――――――――
警察が突入する直前…英樹は店長室をノックして返事がなかったが中へ入ると何かにつまずいた。
「なに…?」
恐る恐る机の下を見ると…岩渕が死んでいるのを発見した。
「――うっ!」
英樹は吐きそうな気持ちを抑えてどうすればいいか頭の中で思案を巡らせて金庫を見つめた。
「そうだ…どうせなら…っ」
英樹はこの状況を利用して、あることを思いついて作業を始め…
警察が店内へと突入して来たのを背中で感じて店内を飛び出した。
そして、ある場所へ向かった。
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