3話:宵桜と悪魔

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+ 俺の赤い瞳を見つめて、おれの祖父は言った。 『お前の力は異端なのだ』 『それを封じ、お前は全てを知り得る事が出来ず』 『だが知ってはならぬ事を知る』 皺くちゃの手で顔を両端から包み込み、祖父はこうも続ける。 『だがな我が血縁の者よ。お前は自らを偽る術を身につけよ』 憐れむような、慈しむような。 そんな矛盾した表情を祖父は浮かべていた。 そして俺の金色の髪を優しい手つきで撫でて、腕時計の中に〝俺〟を封じた。 ――その時からだ。 その時から俺は、白の仮面を被っている。 〝俺〟を知られないように。 〝おれ〟が〝俺〟に成り済ませるように。 おれは、本当に俺なのだろうか。 .
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