目覚めた愛

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「おや?変わった色の、それは砂糖かい?」 「ええ、黒砂糖ですの。体によいと薦められまして。」 催した朗読会は初めてということもあり、こじんまりとしたもの。 一通り、詩の披露をした後でお茶を振る舞う。 人の目がある時は、仲のよい夫を演じてくださるのね。いつもは、私の使うものなど気になさらないのに。 「それなら取り寄せてあげよう。」 「伯爵は噂通りの愛妻家でいらっしゃる。今日はハイネにすべきでしたなぁ。」
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