目覚めた愛

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数日後、届いた手紙。 ああ、やはり… こんなに尽くしても、とうとう、私は貴方にとって不要の存在になってしまったのね。 人々の口に上る公爵家の未亡人、仮初めのお相手ではなかったのね。 既にご自身で財を築き上げてしまえば、一代前は平民であった新華族の妻など… 愛など、とうに涸れ果てた夫婦。 それでも… ぽたり 膝の上に悲しみが一滴、零れ落ちていった。
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