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「昨日の雨が嘘のようですわね。でも、ゴルフは無理なのでは?」
車寄せで、夫を送り出す。
「ああ、だめなら読書会か球撞きでもなるだろう。夕食会には高梨くんの運転で来るといい。高梨くんも、それまでゆっくりしてくれたまえ。」
また昨日も、いつもと同じように孤児院から私を送ってくれた後、雷雨でお戻りになれず、こちらにお泊まりいただいた。
今日は渋谷様のお館での会合があるから、早朝に戻ると仰る高梨さんをお引き留めなさって。
何を企んでおいでなのかしら。
ふふっ、嫌ね。まるで狐と狸の化かしあいのよう。
いつの間に、こんな夫婦になってしまったのかしらね。
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