孤独の季節

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祥彦さんが卒業してしばらくたった五月の末。 挙式を明後日に控えた私の手元に届けられた異国からの便り。 それは、懐かしい香りを携えていた。 豊さんからのお祝いだわ。 懐中時計用の飾り紐。 根付さながらに、銀で作られた小さな薔薇がついている。 私が大切にしているものを覚えていてくれたことに、胸の中に喜びが広がっていく。 同封されていた手紙には簡単に一筆。 ご結婚おめでとうございます。どうぞお幸せに。
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