孤独の季節

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「お勤めはいかがでございますか?」 九月に入って始まった日本文化の研究員としての仕事は、ほとんど名誉職のようなもの。 「退屈ですよ。何をやるわけでもない。ただいればいいだけだ。」 お飾りの立場は祥彦さんにとって苦痛にしかならず、この俸禄で家族を養っていくわけではないことも、少なからず誇りを傷つけられている。 殿方にとって、職場で居場所がないというのはお辛いものなのでしょう。
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