孤独の季節

15/19
430人が本棚に入れています
本棚に追加
/142ページ
夫の成功はむろん喜ばしいことだけれど、あの優しかった目がだんだんぎらついてくるのを見るのは、いささか切なかった。 これが、経営者たる人の運命なのでしょうけれど。 よかれと思って勧めた道は、私の意図せぬ方向へと夫を連れ去って行ってしまう。 和歌の研鑽を積みたいと語っていらした頃の穏やかなお顔が懐かしい。 あの日々はもう帰らないのでしょうか。
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!