孤独の季節

16/19
430人が本棚に入れています
本棚に追加
/142ページ
六年の歳月に、夫は引き継いだ事業を拡大させ、社交界では若き経営者として持て囃されるようになっていた。 そして、私は忙しさにかまけて、また放っておかれる。 園遊会やお茶席、社交界に伯爵夫人としての勤めは果たすけれど、心は常に空虚。 世話をする子どもの一人でもいれば、違ったのかもしれないけれど…。 既に触れられなくなって何年経つのだろう。 義父母や実家からの、早く孫をという思いも聞かれなくなって久しい。
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!