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『おはようございます 叶太様』
朝日に包まれ
真っ白なレースのついた
カーテンは風でゆっくり揺れた
『むにゃむにゃ…』
大きなベッドで眠る少年
『おはようございます 叶太様』
二回目の挨拶を言うと
メイドらしき女は
右手にもった掃除機にスイッチを入れた
ピ…ブォォォォォォォォォォォォォォ
容赦なくベッドで眠ってる
少年の髪の毛に掃除機の吸引口をあてた
『
Σ…ぶぁぁひゃひゃ…ぐぁ…
ちょっ…岬っ!
起きた!今起きたから毎朝掃除機で俺の髪の毛を吸い込むなぁ!
リアルにいてぇ!抜ける抜ける抜ける抜ける…!!』
ブォォォォォォォォォォ
『あ…おはようございます
起きてらっしゃいましたか』
ブォォォォォォォォォ
ピ
起きてるもなにも
普通に起こしてくれれば
てか今!中から強にしただろっ!
『と…とりあえず!
掃除機を止めてくれ!いててて…』
『仕方がないですねぇ』
ピ ブィィン……
『岬ぃ!毎朝 掃除機使うのやめろ!』
こうやって…
なんの怨みがあるかしらんが
俺を毎朝、掃除機の吸引を利用して起こしにくる
俺の家の…俺の世話がかりのメイドの岬(ミサキ)
掃除機で毎朝起こすのをやめてくれれば
まだ可愛いものを…
『掃除機を使うなと?
こんなに便利な掃除機で叶太様のお部屋をお掃除するのは私の日課でございますのに…』
『掃除機で俺の髪の毛を吸い込んで起こすのをやめろ』
『いや、叶太様 すごく吸い込んで欲しそうだから…つい』
撤回…
『どんなんだよ!吸い込んで欲しそうって!』
『だって毎日言ってるじゃないですか
"ハァハァ 明日も髪の毛吸引よろしくね ハァハァ"
と…』
やっぱり可愛げない、な
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