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初めてお前と出逢ったのはただ仕事だったよな。
お前はただの部下ってか下っ端で、こいつも他の人間と同じだと思ってた。
でもよ、他のやつはいつも銀髪に赤目ってだけで嫌そうな目で見るのにお前は違ったよな。
「うさぎさんみたいですね」
そういって笑ったお前に俺は恋に落ちたんだ。
隣でお前の上司が慌てた顔になって、お前もすぐに慌てだして、それがもうすげぇ可愛くて笑ってしまったこと怒ってねえかな??
今でもあの頃を思い出すとすげぇ笑えてしまうんだけどよ....
今更ながら、あの時からずっとお前以外見えなくなってたんだぜ。
こんな気持ちも、きっと今のお前ならわかってくれるだろう?
――――――――…………
1月の下旬
俺が出会い恋に落ちたあの女を仕事場に迎えて少しの時が経った。
もちろん俺の上司に頼んで裏で手を回してもらっての異動だ。自分勝手に異動させて申し訳なくは思うがこんな短期間で仕事を覚えテキパキこなすあいつに関心している俺たち。
車が信号に引っかかり少しずつスピードダウンしてゆく。
車の窓から外を見ると真っ白な世界が広がっていて歩く人々は寒そうに縮こまっている。
「ん?」
噂をすればあいつだ。
寒そうに手を擦っては息を吹きかけてをくりかえしている。
「俺は出る。いつもの所に車置いといてくれ」
運転手にそういうと俺はあいつのもとに小走りで近寄る
「おい。」
少し驚いた顔で振り返ってにこっと笑う
「おはようございますギルベルトさん。なにか用ですか?」
ああ、今日も可愛いな。
まるで小鳥のようだぜ!!
「そのギルベルトさんっつうのいい加減やめろよ。仕事でもギルでいいっていってんだろ?
あ、それとおはよう。」
「で、何の用ですか?」
「いや、俺様が一緒に会社まで行ってやろうと思って。」
ものすごく怪訝そうな顔で俺を見る。
ただ、一緒に行きてえだけなんだからそんな見るなよ…
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