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只今の時刻は11時半。
今日の部活は午前中だけで、また明日って感じで終了すると、全員で部室の施錠を確認をしてから解散とした。
部長の睦美は副部長の恵子と一緒に、職員室へ部室のカギを返しに行き、残った三人で昇降口へと向かって歩き出した。
渡り廊下を歩いていると、前方から一人の女子生徒がこちらに向かって歩いて来るのが見える。
｢あらっ、みんなはもう部活が終わったの？お疲れ様｣、と暖人たちに話しかけてきたのは、暖人たち幼なじみグループの一人、高津 綾芽(ﾀｶﾂｱﾔﾒ)である！
綾芽は腰の辺りまで伸びた真っ直ぐの黒髪に、白過ぎだろって程の肌。
やや小柄ながらも、生徒会の会計を務めている優等生だ。
切り揃えた前髪に眼鏡を掛けているのだが、その愛らしい瞳は男子が絶賛するほどだった。
｢暖人くん、さっきおばさまからメールが来て、習い事があるから、夕飯は適当にすませなさいって書いてあったわ｣。
｢またかよ、帰りにコンビニ寄るか｣暖人が呟いた。
｢暖人くん、家に携帯置き忘れてるでしょ！おばさま、暖人くんの携帯からメールしてきてたから、直接会わないとって思って、部室に向かってたとこなの｣と綾芽は言う。
｢わざわざありがとうな｣ 暖人の言葉に｢どういたしまして｣と綾芽が微笑んで答えた。
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