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だがしかし、いきなりの出来事に、頭の中がパニックになった暖人。
尻餅をついて、焼けたアスファルトにいつまでも座っているのが辛い!
とりあえず家のなかで話そうと、少女を自宅のリビングへと案内した。
部屋のなかをキョロキョロと見渡す少女に、暖人は麦茶の入ったグラスを手渡して、ソファーに座って一息ついたのだった。
暖人は自分の分の麦茶を一気に飲み干すと、ニコニコしながら暖人を見つめる少女に話し掛けた。
「お前、本当に茜なのか?」暖人の問いかけに対して、少女は笑顔のままで「そうだよ、正真正銘!暖人のことが大好きな茜ちゃんだよ」と返す。
少女の名前は六条 茜(ロクジョウアカネ)暖人ととは同い年。暖人は黄葉町に引っ越す以前、茜が住んでいる村に六歳の頃まで家族で暮らしていた。
人口の少ない田舎だった為、年の近い子供も数えるほどしか居ない。そんな幼少時代に家が隣近所だったのが、この茜と言う少女だった。
親同士も昔からの友人だったらしく、とても仲が良い。
しかもお互い独りっ子だったので、同じ年に産まれた二人は、両方の親からは、本当の兄弟のように育てられていた。
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